ここ数日、ニュースを騒がしている必修科目を履修しなかった問題。
辰己丈夫の研究雑報の記事でも紹介されているが、本当に困った問題である。
例えば、本校では科学技術高校ということで、必修教科「情報」の代替科目として情報技術基礎が1年生で置かれている。
(本校の生徒には情報Bのほうが良いと思っているのだが、その話はまたいつかどこかで。)
さて、本題は東京都の場合である。
私は昨年、都立墨田川高等学校の定時制で情報Aを担当していた。
なので、以下の話は昨年度の話である。あくまで今年の話ではない点に注意されたい。
もちろん今年は全ての都立高校で改善されているはずだが、どうやら一部の都立高校で必修教科情報を名前だけ実施し、内容は数学や理科などの受験勉強して学習指導要領で定めた内容を学習していないという噂である。
実際に通達や処分を見たり聞いたりしたわけではないのだが、昨年度以下のような通達があった。
「出席簿、週毎の授業計画、テスト問題、全てのコピーを提出せよ」
という内容である。
もちろん、私は情報Aという科目の学習指導案が定める内容を授業していたので、ありのままに求められた内容を提出した。
しかし、学習指導要領で定めた内容を正しく実施していない学校があった場合にはどうであろう?
書類だけ整えたのだろうか?教育委員会の指示のもと改善に応じたのだろうか?
どちらにしろ恐ろしい限りである。
なぜその科目が必修なのか、本当の意味を考えればわかるはずだが、皮肉にも今回の事件のようなことが発生するのはどこか教育の進み方が間違っているからだと思わざるをえないのが残念である。